映像のテンポは、センスの領域だと思われがちです。私は数字で決めています。冒頭5秒は1.5カット/秒。つまり5秒の間に7〜8回、画が変わります。5秒を1カットで見せる構成は、縦型では成立しません。
これは机上の理屈ではなく、自社作品の編集と数字を突き合わせて改定してきた基準です。以前は「90秒で12〜16カット」を目安にしていましたが、縦型のテンポとしては遅すぎることが分かり、いまの基準に変えました。冒頭5秒は1カット0.4〜0.7秒。本編に入ってからは1カット1.0〜1.5秒。感情のピークに向かう場面では、あえて長く持たせることもありますが、それは「基準より遅くする」という意図的な判断であって、なんとなくではありません。
なぜ冒頭だけ密度を上げるのか。前のノートで書いたとおり、最初の0.5秒で「宣伝か、それ以外か」が判定され、続く数秒で「見続けるか」が決まるからです。画が細かく切り替わることで、視聴者は状況を掴もうとして目を離せなくなります。逆に、冒頭に長いカットを置くと、状況を掴む前に指が動きます。
脚本の段階でこの密度を意識して書くので、撮影の香盤表もカット単位で組みます。1カットごとにカメラの画角と撮る範囲を割り付け、合計の尺まで積算してから現場に入ります。
御社ならこう使う
既存の動画の冒頭5秒で、画が何回変わっているか数えてみてください。2〜3回なら、内容の問題ではなくテンポの問題で飛ばされている可能性があります。
次のノート
テンポを守るには、セリフを削る必要があります。次回は「15文字と8掛け」の話です。
この考え方で、貴社の台本を書きます。
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