ブランドは、冒頭に出さない
商品名を出す位置とやり方で、同じ映像が「広告」にも「物語」にもなる
このノートが扱う原則: 原則6
引用した作品・データ: 企業案件での設計(社名は伏せています)
企業案件のご担当者様から、最初にいただく要望の多くは「うちの商品を、もっと前に、もっと大きく出してほしい」です。お気持ちはよく分かります。でも私は、原則としてお断りしています。最初の場面に、商品名もロゴも出しません。
理由は0.5秒の話に戻ります。冒頭にブランドが映った瞬間、視聴者は「宣伝だ」と判定して飛ばします。せっかく作った物語が、見られる前に終わります。ブランドを出さないのは、ブランドを軽く扱うためではなく、ブランドまで見てもらうためです。
では、どこで、どう出すか。私たちの設計では、初出は中盤です。登場人物の生活の中に、その商品が「すでにある」ものとして現れます。会話の中で自然に名前が出て、その瞬間に効果音とテロップを重ねる。視聴者は説明されたのではなく、登場人物の暮らしを覗いて、そこに商品を見つけたと感じます。
最後の行動、たとえばアプリを開く、店に入る、電話をかける、は、ナレーションで促すのではなく、登場人物が画面の中でやってみせます。視聴者は「買ってください」と言われるのではなく、「この人はこうした」を見ます。そのあとに、ひとことのタグラインだけを置きます。
ハッシュタグも同じ考え方です。商品名やサービス名のタグではなく、ドラマの文脈のタグを使います。届けたいのはすでに商品を知っている人ではなく、まだ知らない人だからです。
御社ならこう使う
御社の商品が、お客様の生活のどの場面に「すでにある」と自然か。その一場面を探すところから、脚本の打合せを始めます。
次のノート
私は弁護士でもあります。脚本を書くとき、それが何を変えているのかを次回書きます。
この考え方で、貴社の台本を書きます。
オンライン60分のヒアリングをもとに、目的と指標の確認、ペルソナ重複判定、企画3案、第1話の台本、決裁者向けサマリー1枚までを無料で作成します。制作の発注とは切り離してご判断いただけます。